突然ですが、下の写真をご覧下さい。
これ、一体ナニの模様であるか分かりますか?
海辺に打ち寄せる波の様にも見えない事もないのですが・・・。でもとても美しい模様ですね。
実はこれはプラスチック成形品の破断面を実体顕微鏡で観察したものなのです。
本堀技術士事務所には、日々お客様から様々なサンプルが持ち込まれます。その中には、破断や流動性不良などの成形品の不具合に関するお問い合わせが多く寄せられます。
この写真はアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル : PMMA)の成形品の破断面を予備的に実体顕微鏡で観察したものです。
小さな穴(ボイド)や亀裂(クラック、クレーズ)、縞模様(シェルマーク、ストライエーション)を観察する事で、「成形品にどの様な向きで力(応力)が与えられたのか?」、「どこが破壊の開始点なのか?」などの情報を得る事ができます。
サンプルを多角的に観察すれば、実に多くの技術的な情報を得る事ができ、これらの情報を適切に整理・解析する事により、プラスチック成形加工の現場で大きく役に立つ事となります。
この様な「技術資産」の積み重ねこそ、技術士業務を営んでいくための大きな糧となるのです。
それはさて置き、たかだかプラスチックの破断面でも、顕微鏡で拡大して光の当て方を工夫する事でこんなに美しく見えるんですね。
今回は、我々の身の回りに溢れる技術のタネとなるオドロキを実感する写真をご紹介させて頂きました。
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